ベンチャーのエグジットはM&Aの時代
日本経済新聞社が2018年6月21日に発表した情報によると、2018年1月〜5月のベンチャー企業のM&Aは前年同月期で30%増加し、26件が買収されているとのことである。これは、過去最高のペースであり、かつ初めてIPOを上回ったとのことである。
金額ベースでは、169億円と前年同月比2倍の金額にまで増加している。これは、比較的資金力に余裕がある企業の大型の案件が加味されていると考えられる。2010年初頭はIPOとM&Aの比率はIPOが10に対してM&Aが1の比率ではあるが、これが株式市場の高騰と共に、10倍レベルにまで大きく上昇しているのである。
また買収された会社は10年未満の若い会社が大半であることも、成長戦略実現のためのM&Aが浸透してきた証であると言えよう。
ちなみに、本記事ではIPOの準備期間は2年と紹介されているが、これは極めてスムーズに行った事例なので、私の肌感覚では最初の準備から3年〜5年程度かかる企業も少なくない(これには、予算整備や会社の内部統制等も関係している)。
大手企業の意欲が増加
本記事によると、大和ハウス工業が買収された小売業向け決済サービスのロイヤルゲート。ファナックがライフロボティクスを買収した事例が紹介されている。
しかし、シリコンバレーではGoogleやアップル、FacebookなどのITの巨人が就寝となって、90%がM&Aされていることを考えると、今後はM&Aという方向性が大きく拡大していくと言えよう。
また、現場目線では、シリコンバレーと日本のバリエーションは3倍ほど離れていると言える。これは買い手の大企業からは、「のれん償却」が義務付けられている日本の会計基準の問題も挙げられている。
このあたりはあまり議論されていないが、世界的なルールが変化されていく中で、日本企業が取り残されていかないためにも、会計基準を含めた変化が求められる。