M&A

急拡大するIT業界の業界動向とM&A

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ITサービスの重要性の急速な増加によってM&Aも増加

 矢野経済研究所の調査によると、2017年のIT業界の市場規模は12兆円であり、2013年からの5年間で1.3倍にまで成長をしています。更にWINDOWSが登場した約20年前と比較すると、3.2倍にまで成長しています。

 この業界をリードしている業界はシステム開発をリードしているのは受託システム開発企業でしたが、近年はWEBメディア、ECSier、スマートフォンゲーム、ネイティブアプリ企業、AIVR/ARIoTと企業の業態のバラエティも多様化しています。そのような中で、大手企業が自社の弱みを補完するため、およびエンジニアやWEBデザイナー人材などのWEB系人材の確保のためにM&Aが増加しています。

 ITのバブルと言われていた2001年~2003年までのM&A件数は150200件のM&Aでしたが、2006年には415件にまで増加しています。2008年のリーマンショックによって、ベンチャーキャピタルの投資などが減少してIT企業のM&Aも停滞をしていましたが、アベノミクス以降、2013年に400件を記録すると、2014年に500件を超え、2016年は622件にまで増加しました。

 2017年はその2016年を10%上回るペースでM&Aが起きており、2017年上半期のM&A件数が367件で推移していました。

 

有効求人倍率が7倍超えで、人材不足は深刻化

 IT業界の最大は課題は、人材不足であることは言うことはありません。転職サイトのDODAの調査によると、全体の求人倍率が2017年12月期に2.87倍という中、IT業種の有効求人倍率7.14倍にまで高騰しています。人手不足と言われる外食産業が1.17倍ですから、そのインパクトの大きさがお分かりいただけるかと思います。

  職種別の有効求人倍率で見てみると、ITの技術系は9.2倍となっており、過去最高の数値を記録しています。少し前までは人気職だった機械系のエンジニアが5.4倍のため、ITエンジニアの確保の難しさが現れています。WEBデザイナー・クリエイターも2.5倍、コンサルティング職も7.6倍まで増加しています。

M&Aの対象業種も多様化

前述したとおり、IT業界の業種が多様化してきたことで、M&Aのターゲットも多様化しています。下記では、弊社にお問い合わせをいただいている、上場企業10社のニーズからターゲット企業を記載致します。ただし、ここに掲載されていないサービスもどんどん出てきていますから、例外もあります。

WEBの受託開発会社のM&Aのニーズとしては、エンジニア確保が一番重要です。したがって、中小の受託開発の企業が欲しいというニーズはよく聞かれます。また大手の事業会社でエンジニアの数が少ない企業も、受託開発会社をM&Aすることで、自社のエンジニア技術を取り込むことが可能となります。

次に、WEB系の広告代理店やWEBの広告運用会社になると、WEBメディアのM&AやスマートフォンアプリのM&Aしたいという要望が弊社にたくさんやってきています。彼らのニーズとしては、PV/UUが多い媒体やDAU(Dailt active user)の多い媒体をM&Aすることで、そこに広告を出すことができ、マネタイズしていくことができます。M&Aの際は、PV×0.5が収益の基本ラインとして考えておくとよいでしょう。

他にもEC系の企業では類似のサービスを扱っているEC企業であったり、スマートフォンの開発が得意な開発会社、決済サービスを提供している企業、ECの運用会社がターゲットになっています。

 

M&A業界の課題はITの分かるアドバイザー不足

一方でIT業界は比較的新しい業界であるため、M&AアドバイザーのほとんどはIT業界のM&Aに詳しくありません。ビジネスモデルも新しいものがほとんどであり、用語も非常に専門的なこともあり、投資ファンド等の金融のプロフェッショナルもなかなか手が出せていない領域です(グロースさせることが難しいため)。

客観的に言えば、ITのM&Aをきちんと対応できるM&A会社は弊社以外であれば日本M&Aセンター、ストライク、パラダイムシフトの3社ぐらいではないかと言えます。それほどIT業界のM&Aは非常に特殊な領域であると言えます。その他のアドバイザー会社では受託開発のM&Aは対応できても、その他の新しい業態では対応できないことがほとんとでしょう。

アメリカのようにIT業界のM&Aが盛んになってくるためには、ベンチャー企業の成長だけでなく、M&AのアドバイザーのITリテラシーの向上も大きな課題となっていくと考えられます。

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