M&A

[2017年度]M&A案件数は過去最高水準へ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

2017年度の譲渡件数は2,239件と前年比19.7%増

レコフデータ社より2017年の公表ベースのM&A・投資件数が公表されました。2017年度の譲渡件数は2,239件となり、前年比19.7%増と大きく増加しました。この件数は過去最高の件数を記録した2006年に次いで、過去2番目の増加となっています。譲受社数については、複数カウントがあるため2,630件となり、こちらは前年比18.1%増と過去最高の件数となっています。

次に業種別に見ていくと譲渡件数のトップは「IT・通信」の726件であり、全体のシェアは32.4%を占めています。IT・通信業界は前年度に続いて業界1位でした。特筆すべきは、前年度比52.2%増という増加率です。IT業界のM&Aが如何に当たり前のものとなってきているかが分かります。弊社にもIT・通信業界のM&Aの依頼については常時10〜15件ほど頂いております。

地域別の全体状況を見ていきましょう。全体では「関東・甲信越」が譲渡件数が1,544件(前年比26.4%増)と過半を占めています。譲受件数も1,922件と前年比24.6%と大幅増でした。次に譲渡案件多いのが「近畿」地方の257件、「北海道・東北」131件となっています。北海道については廃業が増加していることと、北洋銀行を中心にM&Aを強化している地銀があるため、「中部」地方よりも多くの譲渡案件を成約していると考えられます。

 

関東・甲信越では「IT・通信」の631件がトップ

「関東・甲信越」では、譲渡案件1,544件のうち、631件が「IT・通信」となっており、全体の40%を占めています。動物病院運営のエルムスユナイテッド動物病院グループ(東京)が、動物病院業界向けIoT事業、物販事業のタイグリス(同)を株式交換によりで買収した案件などが挙げられます。ヘルスケアや飲食を含む「サービス」が234件で前年比22.5%増、「電機」が90件で前年比13.9%増、「その他販売・卸」が85件で前年比30.8%増となっています。

「近畿」では譲渡案件257件のうち、「サービス」が49件(前年比32.4%増)と「関東・甲信越」とは異なる業種が一位となっています。次いで「IT・通信」が31件(前年比29.2%増)、「その他販売・卸」が17件(前年比21.4%)となっています。

「北海道・東北」では譲渡案件131件のうち、「サービス」が20件(前年比17.6%増)、「IT・通信」が17件(前年比88.9%増)と「近畿」と同じ業種が増加しています。特に「IT・通信」が大幅増となっています。産業革新機構(東京)、全国農業協同組合連合会(JA全農)、農林中央金庫、住友商事、ホクレン農業協同組合連合会による農・畜産農家向けクラウド型牛群管理システム牛個体管理センサー開発・販売ベンチャーのファームノートホールディングス(北海道帯広市)への資本参加など、農業×IT分野での投資が進んでいます。

「北陸・中部」では譲渡案件130件のうち、「IT・通信」が19件(前年比90.0%増)、サービスが13件(前年比30.0%増)、その他小売が12件(前年比−7.7%)となっています。AIベンチャーのエクサインテリジェンス(東京)が、静岡大学発ベンチャーで同業のデジタルセンセーション(静岡県浜松市)を吸収合併しています。「サービス」では、廃棄物収集運搬、処理の富山環境整備(富山市)が、東証1部上場の北陸電力(同)の子会社でプラスチック製容器包装中間処理、再商品化事業、プラスチック製産業廃棄物リサイクルのプリテック(同)を買収。「その他小売」では、ガソリンスタンドなど運営のオカモトホールディングス(北海道帯広市)が、セルフ式ガソリンスタンド運営のカナショク(金沢市)を買収しています。

「九州・沖縄」では譲渡案件112件のうち、「IT・通信」が26件(前年比62.5%増)、「サービス」が14件(前年比100%増)、「その他販売・卸」が8件(前年比60%)となっています。「サービス」では、電気設備工事業の興電舎(宮崎県延岡市)が、産業用電機機器保守・修理・販売・メンテナンスの野田電機工業(大分市)を買収しています。「その他販売・卸」では、東証1部上場のマルカキカイ(大阪市)が、機械工具、切削工具関連消耗品販売の北九金物工具(福岡県北九州市)を買収。「電機」では、福証上場の南陽(福岡市)が、精密加工部品、FAメカトロニクスなど製造販売の戸高製作所(大分市)を買収するといった案件がありました。

最後に「中国・四国」では譲渡案件65件と比較的少なくなっています。13件が「サービス」であり、「その他小売」が6件となっています。他の地域とは異なり、上位に「IT・通信」が出てこないのは「中国・四国」地方のみの特徴です。  「サービス」では、東証1部上場のソラスト(東京)が、介護サービス事業のベストケア(松山市)を買収したほか、クリーニング店運営のダイヤクリーニング(岡山県倉敷市)は、同業の大杉ドライクリーニング(高松市)を買収しています。

 

実際の譲渡案件は1.5倍程度存在

レコフデータの数字は公表ベースの数字のため、実際はこの1.5倍ほどの案件が成約していると考えられます。弊社でお手伝いをさせていただいている成立案件についても、公表をしていないため、カウントはされておりません。従って非常に多くのM&Aが水面下で成立していると言えるでしょう。

しかしながらGDPに占めるM&Aの成約金額は米国に比べて低い水準となっており、今後もM&A市場は成長していくと考えられます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

無料事例集:「M&A2.0」時代の戦略とは

2017年以降のM&Aは、事業承継、業界再編メインの「M&A1.0」の時代から、企業成長・ビジョン実現のための「M&A2.0」に突入しています。

本書は、弊社および提携パートナーにて行った最新のM&A事例を紹介しながら、

・今後のM&Aの方向性

・具体的なM&A事例

・M&Aの注意点

など、「M&A2.0」の時代の経営戦略について網羅した内容となっています。

是非、貴社の今後の経営方針の策定にお役立てください。

M&A事例をダウンロード

コメントを残す

*